広告を注文していただいたお客様には、もれなくコンテンツを提案したりします。

1枚のポスターで解決できること。

定期的にポスターの制作を注文してくれる顧客から、今回も制作依頼をいただいた。
制作内容の打合せ時には、注文されている内容以外に、
いつも何か新しい提案を持って行くようにしている。

ぼくらのような提案型の商売は、
「つまらない」と思われたらそれで終わりだ。
だからといって必要以上に面白ポスターをつくるとかそういう表現的なことではなく、
依頼されたものがポスターなら、ポスターを通して顧客が解決したかったものは何かをよく考えることが大事だと思っている。

打合せのテーブルに着いたとき、ポスターをどう作るかといった表現の方法論から相談されてしまうことがあるが、
常に解決すべき課題に立ち返った上で一緒に検討していくスタンスをとっている。

課題を明確にするこのプロセスはとても重要で、
方向違いの提案をしてしまうことを避けることが主な理由だが、
顧客自身も気づいていない課題の本質に迫れることもある。

ポスター一枚で解決できる課題はそう多くはない。
貼られる場所にもよるが、ポスターが持つ機能は「知覚」が主体だと思っている。
昔からポスターは「1秒のコミュニケーション」と言われているが、
要するにひと目で理解できる内容でないと機能しないのだ。

コンテンツって、なんだ。

だから、たとえばその商品を深く理解してもらうことが前提となるような場合、
キャッチフレーズ1行しか認知されないポスターでその課題を解決するのは無理だ。
そのため、大抵の広告コミュニケーションは様々な媒体を組合せ、
各媒体特性に合わせた情報量や方法論でもって作成していく。

1枚のポスターはその商品に対するイメージを増幅させるエモーショナルな装置だ。
広告をつくる人間として、この媒体にはとてつもない愛情を持っているけれど、
その後ろに情報の発信部隊となる様々な媒体も配置しないと効果は出ない。

今のコミュニケーションの主役はSNSなので、
これを粘り強く活用することが一番の商品理解や顧客の獲得につながる。
これは広告屋の手を借りずとも、企業の担当者がきちんと回していけば問題ない。

けれど、もっと情報発信をプッシュしていきたいとなれば、
店頭に置く冊子などのオウンドメディアを作って顧客とのつながりの強化に努めたり、
デジタルサイネージがあればイメージでも情報面でのフォローも可能だ。

さらに、そういった媒体面でのことだけでなく、
商品パッケージや包み紙まで、その商品を取り巻く環境そのものまで含めて、
顧客への関わり方を形にしたものがコンテンツだと思っている。

何をどこまで実行できるかは予算にもよるけれど、
ポスター1枚から始まった話でも、その課題を突き詰めていけば、
コンテンツとしてコミュニケーション戦略にしていくことになりますよね。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます。
デザインを戦略にして、もっといい会社になろう。

このエントリーをはてなブックマークに追加