ロゴマークは作るな。キャラを作れ。その1

会社を立ち上げたら、まずはロゴマークが必要だ。
というわけでクラウドソーシングなどで3〜5万円ぐらいでマークを発注したり、
格安ロゴ販売サイトなどで既成の図案を購入すればそれっぽいマークは手に入る。
名刺に刷れば、どこから見ても立派な会社だ。

だが、それでいいのだろうか?
ロゴマークは、自社を認識してもらうためのものだ。
自社の強みや特徴をマークの造形に込めるのは、
マークをデザインする上であたりまえのことなのだけれど、
それを覚えてもらうのはとても大変なことだ。

だって、知り合いの会社のロゴマークがどういう形か、
ほとんど覚えてないでしょ。
そういうロゴマークは、ハッキリ言って「飾り」です。
じゃあ、ロゴマークはいらないか、といえばまったくそんなことはない。

ロゴマークが機能するということは、
そのマークがあることによって取引先や消費者が安心できるということだ。
同じような商品なら、そういうマークがついているほうを購入するもんね。

ここまで来ればブランディングは「完成」だけれど、
ここの領域に到達するにはもっといろいろがんばらないといけない。
最上階にいるラスボスを倒すようなことだから、
先は結構長いです。
だから、まずは「覚えてもらいやすいロゴマーク」を作ることからはじめてみよう。

覚えてもらいやすいマークとは、
結論から言っちゃうけど、「キャラクター」だ。
例外ももちろんあるけど、四角だのマルだの組み合わせた図形よりはマシだと思う。

歯医者のマークをいくつか拾ってみたから、
この例で検証してみる。

「歯モチーフ」のオンパレードですね。
歯の絵柄だけいっぱい作って、どんどん歯医者に売れば儲かりそうだ。

業態がわからないと話にならないから歯をモチーフにするのはわかる。
でも同じ町内に3つも4つも歯医者があったらどうするんだろう。
実際、うちの町内には歯医者がゴロゴロあるが、
看板見ただけじゃどの歯医者に行ったらいいのか選べない。
結局はGoggle先生に頼って口コミを調べるから、マークだけで決めるわけではないんだけど、
もうちょっと考えようよ。

ちなみにうちの子どものかかりつけ歯医者のマークはこれだ。

子どももちゃんと見れますよ、って感じだし、歯医者なのに全然痛そうじゃない。
いまの町内に引っ越してきたときからなんとなく目について覚えてた。
看板どおり、気さくでやさしい先生でした。
名は体を表すというが、マークのイメージに本人が近くなっていくということはあると思う。

引越し会社の例を見てみよう。

運送業でも、引越しは顧客と直接触れあうサービスだから、
キャラ的なものが多いと言えば多い。
パンダとかアリとかネコとか、親近感で覚えてもらいやすいように工夫している。
あとで友だちに紹介するときも、会社の名前は覚えてなくても「アリに頼んだ」といえばわかる。

「0123」とか「引越しは日通」あたりは、ここまでのマーク云々の話なんか吹き飛んでしまう凄みがある。
でもここまで認知を集めるのには相当な広告投下量とか、
会社の歴史がモノをいったりする世界です。

これぐらいの事例でわかったようなフリするのもなんですが、
キャラクターは、小ぎれいに作ったロゴマークより格段に覚えやすい。
(「あのー、うちは高級宝石店なんですけど・・・」など、
キャラが邪魔になるケースもあります、もちろん)

ナイキっぽいのがいいとか、かっこいいマークにしたい気持ちはわかるけれど、
やめといたほうがいい。
みんなに覚えてもらうための莫大な広告費があるならともかく、
マークは覚えてもらってナンボです。

ちなみに弊社のキャラはこんなだ。

デザイン会社に見えないとか、社名が覚えにくいとか、
ツッコミ処満載ですが、
覚えてもらいやすいという点ではアリだと思っています。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。
デザインタイズして、もっといい会社になろう。

※「デザインタイズ」とは、デザインで企業価値を創るという意味を込め、”マネタイズ”からもじった造語です。日本人以外には通用しません。

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