おいしそうな店のデザイン要素を考える。その1(料理写真編)

どうせ食べるのなら、美味しいものがいい。
ランチタイムの店選びは永遠のテーマだ。

大抵は味のわかっている美味しい店に行くのだが、
たまには違う店にも行ってみたい。
では新規開拓してみようといろいろと探索をはじめるのだが、
その際に重視するのは何だろうか。

値段のことは置いておくとして、
今回はデザイン戦略で見るランチの店選びを考えてみよう。

たくさんの店が並んでいる通りを歩いていて、
まず目に入ってくるのはメニュースタンドや店舗の看板だ。
これを見てその店が検討に値するか判断しなくてはならないので、
店の特徴が集約されていなければならない。

大抵はその店のおすすめメニューなど料理の写真が貼ってあるのだが、
いかにもプロが撮影した「美味しそうでしょ」的な写真の店は敬遠している。
それなりにお金をかけてしっかり撮影しているものの何が悪いんだ、
と殴られそうだけれど、それには理由がある。

それは「店主の愛」である。

チェーン店など資本力のある店はお金をかけてメニューをしっかり撮影するが、
そこに店主のパーソナリティは見えてこない。
つまり、「オレが腕によりをかけてうまいもん食わせてやるぜ」という感じがしないのだ。
だから上手すぎるメニュー写真を見ると、
チェーン店レベルと判断して、味にはあまり期待をしない。

もちろん、いかにも「不味そう」なヘタクソな写真も問題はある。
だがこの場合は値段が妥当であれば全体の店のつくりなども考慮して、
トライしてみることはある。
店主の撮影力は基本的にあまりないと捉えるべきだと思うから、
不味そうな写真はなかったものとして扱うことができる。

しかし、最近はあまり見かけなくなったが、
ロウや塩化ビニールなどで作った精巧な食品サンプルを展示している場合、
それがホコリを被って汚かったりするとアウトだ。
不潔すぎて実際に出されたものもろくに衛生管理していないだろうと思ってしまう。
デザイン以前の問題である。

結論を出そう。
メニューや看板に料理の写真を掲載するなら、
「ほどほど」のレベルで撮影しなければならない。
上手すぎても、下手すぎてもダメなのだ。

ぼくの店選びの基準が「オーナーが料理しているこじんまりした良さげな店」、
という理由によるところも大きいが、
チェーン店に感じさせないというところがこの場合のポイントである。

本屋で売っているレシピ本などは間違っても素人写真で作ってはいけないが、
路上という文脈で考えると、
余分なお金をかけていない素人写真が正しいということである。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます。
デザインタイズして、もっといい会社になろう。
※「デザインタイズ」とは、デザインで企業価値を創るという意味を込め、”マネタイズ”からもじった造語です。日本人以外には通用しません。

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