タレントを起用してみよう。
商品や会社になんらかのわかりやすい記号をつけることはとても大事だ。
大企業の広告に様々なタレントが登場するのは、
彼等の知名度によって商品を覚えてもらいたいからだ。
だからタレントは有名であればあるほど価値を持つ。
有名であるほど値段も高くなる。
広告主の予算によって、広告への出演を頼めるタレントの幅が絞られる。
予算がふんだんにあればどんなタレントでも候補にできるが、
そんなことはまずないので、いかに限られた予算内でより知名度の高いタレントを呼べるかが,
広告代理店などのキャスティング担当の腕の見せ所である。
広告主もどんなタレントを呼んでくることができるのか期待しているから、
ある意味広告代理店の仕事は「タレントを呼ぶ」ことが企画の半分ぐらいを占めているかもしれない。
そのような世界だから、
タレントに出演してもらうということは、
コマーシャルなどに億単位で金をかけることができる企業の専売特許のようだがそんなこともない。
もちろんタレントの知名度にあやかるような戦略は予算が必要だが、
別に有名なタレントでなくたっていいじゃないか。
覚えやすい「記号」になっていればいいのである。
海女カレーフェスタに起用されているこの女性はプロのモデルなのか素人なのかわからないが、
そんなことはどうだっていい。だが、妙な違和感に惹きつけられてしまう。
高い出演料を払って、にっこり笑った女性タレントがいるだけというのは実によくある広告だが、
これはそういう広告よりも強い。
もうひとつ。
これも強烈な違和感があって見入ってしまう。
魚の活きの良さとか、商品には一切触れずに突っ走っている。
女川ドン、覚えたよ。
二つの事例に共通しているのは、
いずれも「違和感」だと思う。
逆に「違和感」がないのはこういう感じのものだ。
普通に広告を作ると、大体こんな感じになるだろう。
何が何でも面白い広告を作らなきゃというつもりはないけど、
普通の広告はみんなが見慣れているので、
メッセージはもっとアグレッシブなほうがいいかもしれないね。
別に女性でなくたっていい。
おじいさんだって、立派なタレントだ。
女性タレントのようにマスコット的な使い勝手まで展開するのは厳しいかもだが、
商店など経営している方は、
こういったポスターのパワーを見直してみたらどうだろう。
タレントの起用はモデルクラブに頼んでも知り合いに出てもらってもいい。
契約やらタレントが問題起こしたらどうするとか、
いろいろとリスクもあるといえばあるけど、
まあ無名の人なら肖像権あたりをちゃんと話し合っておけば
大丈夫かと思います。
かなりザックリと書いてしまったけど、
起用についての実務的なところとかはまた次の機会に。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
デザインは戦略です。
デザインタイズして、もっといい会社になろう。
※「デザインタイズ」とは、デザインで企業価値を創るという意味を込め、”マネタイズ”からもじった造語です。日本人以外には通用しません。