そしてデザイナーはAiになる。

デザインは誰にでもできるものになった。

コンピューターによるデザイン制作がまだ当たり前でなかった時代(25年ほど前)、
ロゴマークや文字などはデザイナーが手作業で作っていた。
複雑な曲線などは雲形定規を使い、ロットリングなどのペンで美しい線を引いた。
デザイナーというのは美しい直線1本引くのにもある程度の修練が必要な、職人技の世界だったのである。

コンピューターによるデザイン制作が一般的になると、
それまで時間のかかっていた複雑な手作業がどんどん簡単にできるようになり、
手作業では考えられなかったデザインなども多数生み出されるようになった。

そして現在、クラウドソーシングで様々な人々がデザインを発注したり、
受注したりすることができるようになったことでデザインの価格は大幅に安くなった。
デザイン業界も他の業界の例に漏れず需要と供給の波にさらされたのである。

そして人の手も離れていく。

そして、この次はどうなるかと考えて見ると、
Aiがデザインを考え、作る時代になるのだろう。
先日、新聞広告のコピーをAiが書いたというニュースがあった。

AIコピーライター”、電通が開発 広告コピーを自動生成

自然言語処理を研究する静岡大学情報学部の狩野研究室と共同開発した。プロのコピーライターが書いた約1000本の広告コピーを用意し、その良しあしが広告効果(コンバージョン)にどう影響するか、定量・定性的に評価。そのデータを基に自動生成システムを開発したという。生成したコピーの最終的な選別は、人間が行う。

出来たコピーはなんだかな、という感じだが、
今後ディープラーニングによって商品やターゲット、使用メディアに合わせ、
人間では検証しきれない切り口でメッセージが生成されるのだろう。
なぜそんなコピーになるのかわからないけど、
それで広告をつくればきっちり結果が出るということになったとき、人間がコピーを書く必然はなくなる。

ロゴマーク自動生成Aiを試してみた。

デザインも同じだ。
Logo joyというAiによるロゴの自動生成サービスがちょっと話題になっていたので使ってみた。

ロゴマークにしたい単語を入力し、提示されているアイコンから選ぶと、いくつかの結果が提案される。

 

提案された中からひとつチョイスすると、アプリケーション展開案が提示される。

 

マークなどの使用イメージをクライアント想像して貰うため、
こういったプレゼンテーション用の展開案はデザイン提案作業の一環として制作するが、
名刺などの画像に手作業で入れ込んでいたのがバカバカしくなる簡便さだ。

ロゴマークそのものについては、既成のWebフォントとストックされたアイコンを組み合わせているだけだから、難易度は非常に低い。
フォントのバリエーションが非常に多いアルファベットだから、
単にフォントを並べただけでも表情豊かに見える。

日本語ではとてもこうはいかないから、使い物になるレベルとはほど遠いが、
これも近いうちに格段の進化を遂げるだろう。

「作業」はデザイナーの仕事ではなくなる。

そうなると、このような素材レベルの制作業務は一般的なデザイナーの仕事として成立しなくなるだろう。
こういったテクノロジーを使い、企業のデザインアイデンティティをどう確立するかを考え、
提案できるデザイナーだけが生き残っていける時代がやってくる。

10年先になくなる仕事にデザイナーも入ってしまうかもしれないね。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます。
デザインは戦略です。
デザインタイズして、もっといい会社になろう。
※「デザインタイズ」とは、デザインで企業価値を創るという意味を込め、”マネタイズ”からもじった造語です。日本人以外には通用しません。

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