価格じゃない価値をつくろう。
世の中は、「過剰」が闊歩している。
名刺を刷るためにいつもの印刷業者に頼もうと思ったのだが、
今の名刺印刷費の相場を知っておこうと検索をかけた。
そうすると出るわ出るわ、名刺印刷業者の数の多さに閉口してしまう。
そしてほぼ全てが時間と低価格が売りだ。
最短1時間、100枚140円なんてものもあった。
もちろん片面モノクロのみで紙だって選べないのだが、
両面カラーにしても340円である。
この手の名刺印刷はせいぜい5種類ぐらいの紙しか選べなかったのだけど、
今は違う。
50種類以上の紙も選べるところもある。
これにはちょっと驚いた。
ぼくの中では世の中の印刷屋さんは、
安売りと、「刷り」が勝負の会社の2種類ということになっている。
前者は安かろう悪かろうで当然紙なんか選べないし、
後者は値段相応にきちんと仕事をするという理解だ。
だから紙を選べるのは当然後者のはずだった。
だが、安いし紙も選べるとなれば、
当然安いほうがいい。
色に妥協のできないしっかりした印刷物を作るわけではないから、
普通に刷ってくれれば問題ない。
そういうことで、ポスターなどでは使いたいけど高くてなかなか使えない紙を
持っている会社をチョイスしてみたわけだけど、
両面カラーで100枚で1000円を切る価格だった。
名刺の質感は紙によるところがとても大きい。
手触りもよく、厚みもある紙に刷られた名刺をもらうと、
その相手に対しての好感度もグッと上がる。
だからこそ今までは万単位のお金を出して名刺を頼んでいたんだけど、
もうそういうお金はかけなくて済むだろう。
仕事は安くて質が高いところに行く。
どんな仕事だってそうだ。
だが、印刷会社のこの競争を見ていると、本当に大丈夫なのかと思ってしまう。
Amazonの安値運賃に耐えきれず、
ヤマト運輸が値上げに走ったが、これをきっかけに限界価格から
脱出していこうという動きに世の中も寛容になったかもしれない。
価格勝負で行くところまで行った結果、
その業種の担い手がいなくなってしまったら、
生き残った会社が独占して値段を今まで以上に上げるだろう。
Amazonなんか最初からそれを狙ってると言われてるもんね。
顧客を掴むためにサービスは常に開発していかなきゃだけど、
過剰にしていくだけが全てじゃないよね。
そろそろ、みんな気がついていると思うよ。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
デザインを戦略にして、もっといい会社になろう。